③ マンモグラフィと乳腺エコー、どちらを受ければいい?|みわレディースクリニック|愛知県小牧市の産婦人科・乳腺外科

COLUMN コラム

③ マンモグラフィと乳腺エコー、どちらを受ければいい?

「乳がん検診はマンモグラフィとエコー、どちらを受ければいいの?」
「若い人はエコーのほうがいい?」
「心配だから両方受けたほうがいい?」

乳がん検診について、このように迷われる方は少なくありません。

マンモグラフィと乳腺エコー(超音波検査)は、どちらも乳房を調べる検査ですが、それぞれ得意なことが違います。

「どちらが優れている」というより、それぞれの特徴を知ったうえで検査を選ぶことが大切です。

今回は、マンモグラフィと乳腺エコーの違いと、どちらを受ければよいのかについてお話しします。

マンモグラフィは乳房専用のレントゲン検査です

マンモグラフィは、乳房を専用の装置ではさんで撮影するX線検査です。

乳がんによる小さなしこりだけでなく、「石灰化」と呼ばれる非常に細かな変化を見つけることが得意です。

石灰化の中には、まだしこりとして触れることのできない早期の乳がんでみられるものがあります。

そのためマンモグラフィは、症状のない女性から乳がんを早期発見するための検診として、有効性が確立している検査です。

日本では、40歳以上の女性には2年に1回のマンモグラフィによる乳がん検診が推奨されています。

一方で、乳房を圧迫して撮影するため、人によっては痛みを感じることがあります。また、X線を使用するため、ごく少量ですが放射線被ばくがあります。

乳腺エコーは超音波を使った検査です

乳腺エコーは、乳房にゼリーを塗り、超音波を使って乳房の内部を観察する検査です。

放射線を使用せず、乳房を強くはさむ必要もありません。

乳腺エコーは、しこりを見つけたり、その形や内部の状態を詳しく観察したりすることが得意です。

特に、乳腺組織が多い乳房では、マンモグラフィでは乳腺もしこりも白く写るため、病変が見つけにくくなることがあります。

このような場合に、乳腺エコーが役立つことがあります。

一方、マンモグラフィが得意とする微細な石灰化などは、エコーだけでは見つけにくいことがあります。

若い人ならエコーだけでいい?

「若い人は乳腺が多いから、マンモグラフィではなくエコーを受ければいい」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

確かに若い女性では乳腺の密度が高いことが多く、エコーが病変の発見に役立つ場合があります。

ただし、「若い=エコーだけを定期的に受ければよい」と単純に決められるものではありません。

現在、日本で死亡率を減らす効果が科学的に確認され、対策型乳がん検診として推奨されているのは、40歳以上を対象としたマンモグラフィです。

40歳未満の症状のない方については、乳腺エコーを定期的に受けることで乳がん死亡率が下がるという十分な根拠は、現時点では確立していません。

年齢だけでなく、乳房の状態や家族歴なども含めて考える必要があります。

では、マンモグラフィとエコーを両方受ければ安心?

ここが一番気になるところかもしれません。

マンモグラフィと乳腺エコーには、それぞれ得意・不得意があります。

そのため、両方を行うことで、お互いの弱点を補える可能性があります。

実際、マンモグラフィに乳腺エコーを追加すると、マンモグラフィだけでは見つけにくかった乳がんが発見されることがあります。

では、「全員が毎回両方受ければよい」ということになるのでしょうか。

必ずしもそうではありません。

検査を増やすと、乳がんではない良性の変化まで見つかりやすくなり、「要精密検査」と判定される方も増えます。

つまり、検査は多ければ多いほどよい、という単純なものではないのです。

40歳以上では、まずマンモグラフィが基本です

症状のない40歳以上の女性が乳がん検診を受ける場合には、まずマンモグラフィを基本に考えると分かりやすいでしょう。

そのうえで、乳腺の密度やこれまでの検査結果、家族歴などによっては、乳腺エコーを組み合わせることを検討する場合があります。

一方、40歳未満の方については、一律に「毎年エコーを受けましょう」とおすすめするものではありません。

年齢や乳房の状態、乳がんのリスクなどによって、必要な検査は変わってきます。

しこりなどの症状がある場合は「検診」ではありません

ここはとても大切です。

「乳房にしこりがある」
「乳頭から血の混じった分泌物が出る」
「乳房の皮膚がへこんできた」
「乳頭の形が以前と変わった」

このような症状がある場合には、マンモグラフィとエコーのどちらの「検診」を受けようかと迷うのではなく、医療機関を受診してください。

症状がある方は「乳がん検診」の対象ではなく、症状の原因を調べるための診察や検査が必要です。

必要に応じてマンモグラフィや乳腺エコーなどを組み合わせて詳しく調べます。

大切なのは「自分に必要な検査」を受けること

マンモグラフィと乳腺エコーは、どちらか一方がすべての面で優れているわけではありません。

マンモグラフィは微細な石灰化を見つけることが得意です。

乳腺エコーはしこりを見つけ、その性状を観察することが得意です。

それぞれの特徴を理解して、自分の年齢や乳房の状態に合った検査を受けることが大切です。

そして、40歳以上の方ではマンモグラフィによる定期的な検診を基本として、必要に応じて乳腺エコーを組み合わせる、と考えると分かりやすいでしょう。

「自分はマンモグラフィだけでいい?」
「エコーも受けたほうがいい?」

と迷ったときには、検診を受ける医療機関で相談してみてください。


次回は「高濃度乳房(デンスブレスト)って何?マンモグラフィだけでは不十分?」についてお話しします。