ブログ -診察室より-

「朝の光の中で」 その32018.11.28

ガラスのコップの縁の、このきらめきに目を澄ましてゐるうちに、コップの胴のひとところにも朝日の光りの宿るのが、私の目にうつって来ました。

これはコップの底の縁のやうに強いかがやきではなくて、ほのかにやはらかな光りであります。

光線の燦々なハワイでは、日本風にいふ「ほのか」はあてはまらないかもしれませんが、底の緑の光りが点からかがやきを放ってゐるのとはちがって、胴の光りはやはらかく面に、ガラスの肌に、ひろがってゐるのです。

この二つの光りは二つとも、いかにも清らかに美しいのでした。

ハワイの豊かに明るい太陽、爽かに澄む大気のせゐでありませう。

片隅のテエブルの上に用意した、ガラスのコップの群れに、このやうな朝日の光りを発見し、感得しましたあとで、目を休めるやうにテラス食堂をながめますと、すでに客のテエブルにおかれて、水と氷を入れてあるコップ、そのガラスの肌にも、ガラスのなかの水と氷にも、朝の光りがうつったり、さしこんだりして、さまざまに微妙な明りをゆらめかしてゐました。

気をつけなければ気がつかないほどの、この光りもやはり清らかに美しいのでした。