ブログ -診察室より-

乳がん検診 考 ― 乳がん検診の限界 ―2016.09.08

昨年の北斗晶さん、今年の小林麻央さんなど有名人の方の乳がん告白が続きました。

お二人ともまだ現場復帰できず闘病中です。有名人の告白であることに加え、北斗さんなどは毎年検診を受けていたのに進行した状態で発見されたことや、麻央さんは30代前半という若さでの進行がんということで、大きな衝撃を与えています。それに伴う乳がん検診の限界について書かれたものも見受けられたりします。

乳がん検診の限界として非常に早く進行する乳がんの存在、という問題があります。今回はこの件ではなく、検査自体の限界について書いてみます。

乳がんは皮膚の中にあります。現時点で主流となっているマンモグラフィも、公的検診への導入が検討されている超音波検査も、正常の乳腺が映し出される中で、その中に存在する「正常ではない影」を探す作業をします。

マンモグラフィでは白く映し出される正常の乳腺の中で、より白く映される異常な影を探していきます。雪原の中でゴルフボールを探す作業、と例える方もありますが、僕はどちらかと言えば白い雲の中に隠れているUFOを探すイメージに近いです。

雲には様々な形があります。びっしりと空を覆う雲もあれば、もこもこと盛り上がった入道雲もあります。まばらな雲もあります。雲の色も白一色ではありません。微妙なグラデーションがあります。このあたりは超音波検査のイメージに近いです。正常乳腺も雲のように色々です。そんな中に悪いUFOが隠れています。

まばらな雲に隠れたUFOを探すのはたやすいですが、大きな入道雲の中に隠れた小さなUFOを探すのは時に困難です。

ここに乳がん検診の限界があります。マンモグラフィも超音波検査もすべての乳がんを見つけることは出来ません。でもなるべく見つけられるように努めています。

何回かに分けて、乳がん検診に関するお話しを書こうかと思っています。